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感染性胃腸炎について

[2022.09.13]

 感染性胃腸炎は、細菌やウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症です。

 原因はウイルス感染(ロタウイルス、ノロウイルスなど)が多く、毎年秋から冬にかけて流行します。また、エンテロウイルス、アデノウイルスによるものや細菌性のものもみられます。

 個人差はありますが、主な症状に腹痛・下痢・嘔吐といった胃腸障害や発熱、大腸の粘膜がただれ、血便がみられることもありますので便の状態を確認することはとても大切です。症状の激しさや、食事から発症までの時間は、原因となる細菌やウイルスの種類や量によって異なります。脱水状態により電解質バランスが崩れ、頭痛や強い倦怠感、発熱等の症状がみられます。尿が出ない・口や皮膚がカラカラに乾燥する等の症状が出たら、脱水のサインです。また、水が飲めない飲んでも嘔吐で出てしまうなどが続く場合は、点滴が必要になることもあります。すぐに受診をしてください。

 症状の経過としては、ウイルスや細菌が嘔吐や下痢で体の外に出れば次第に落ち着いてきます。脱水にならないように、こまめにスポーツ飲料やOSー1で水分・塩分補給をしましょう。

 食事は、症状が良くなるまでは生ものは控えましょう。食欲がなければ無理に食べなくても大丈夫ですが、水分は十分に摂取しましょう。吐き気が強いようでしたら、吐き気止めを処方します。下痢症状が続くことで、腸内の良い菌が失われ症状が長引く事もあります。腸内環境を整えることで免疫力の向上や症状の改善も期待できますので、必要な場合は整腸剤も処方します。

 症状がよくなっても1週間程度ウイルスが便中に排泄され、感染力を持っているので、特に飲食関係等の仕事をされている方は症状が落ち着いても1週間は休むようにしましょう。アルコールでの消毒は効果がありません。トイレ使用後は、必ず次亜塩素酸ナトリウムで掃除してください。次亜塩素酸ナトリウムは薬局やホームセンターで購入出来ます。嘔吐した場合は、可能であればご自身で処理するようにし、出来ない場合はマスク・ゴーグル・手袋・使い捨て出来るビニールエプロン(ゴミ袋などでも代用可)等を使用して、次亜塩素酸ナトリウムで掃除してもらうようにしましょう。

 また、メカニズムは完全に解明されていませんが、寒暖差や気圧、湿度などの変化によって自律神経が乱れることで、いろいろな体の不調が起こるとも言われています。この時期は夏の疲れもあり、クリニックに胃腸の不調を訴え来院される方が多い印象です。バランスのとれた食事、適度な運動、睡眠をしっかりとって体調を整えましょう。

 

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