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高尿酸血症

血液中にある尿酸が多くなっている状態が高尿酸血症(血清尿酸値が7.0mg/dLを超える場合)です。尿酸は水分に溶けにくい性質なので、血液中では尿酸塩として存在しています。その尿酸が過多になると、針状の尿酸塩の結晶ができ、これが関節などに溜まることで、激しい痛みを伴う炎症発作を起こすようになります。尿酸の結晶は足の親指の付け根に形成されることが多く、激烈な痛みや発赤、腫れなどの炎症反応を引き起こします。その他、腎臓にも結晶を作ることもあり、腎臓結石の原因にもなります。高尿酸血症は、アルコールや肉を多く摂取する、といった生活習慣と密接に関連していると考えられています。

尿酸とは細胞が活動する際に生じる老廃物の一種で、生命活動が営まれるうえで体内において必ず産生されるものです。尿酸は、プリン体から生じます。プリン体とは、細胞の中にあるDNAの構成成分で、グアニンやアデニンといったものがあります。細胞が活動を行う過程において、プリン体が不要になると、プリン体は尿酸へと変換され腎臓を介して体外に排泄されます。

原因

高尿酸血症は、主に下記の3つが原因となり発症します。

  1. 腎臓からの排泄低下 
  2. 尿酸の産生増加 
  3. プリン体の摂取量増加

①腎臓からの排泄低下

上記3つのなかで、もっとも多い原因であると報告されています 。腎臓からの排泄低下は、遺伝的な要素もありますし、一部の利尿剤の内服と関連していることもあります。また、乳酸が過剰に存在すると尿酸の排泄が障害を受け、高尿酸血症の原因となります。アルコールを摂取すると肝臓でのプリン代謝が増進されますが、乳酸は、その過程において産生されます。その他、鉛や一部の免疫抑制剤が腎臓に障害を与える結果、尿酸の排泄が低下することに起因しうることも知られています。

②尿酸の産生増加

たとえば、白血病やリンパ腫など、がん細胞が原因となります。がん細胞は、一般的に細胞活動が活発であり、老廃物としての尿酸を大量に産生する傾向があります。また、肥満も高尿酸血症の原因となり得ます。尿酸産生量が体表面積と相関しているためです。その他、Lesch-Nyhan症候群という病気では、HGPRT(hypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase)という酵素の異常により尿酸が大量に産生されることから、高尿酸血症につながると考えられています。

③プリン体の摂取量増加

尿酸のもととなるプリン体を大量に摂取することも、高尿酸血症の原因になりえます。プリン体は、ビールやレバー類干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類などに多く含まれています。したがって、こうしたものを多く摂取する生活習慣スタイルは、高尿酸血症の原因となりえます。

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